2019年4月19日(金)東京電力福島第一原子力発電所を見学いたしました。
昨年11月の元福島第二原発所長 増田尚宏氏(現日本原燃 代表取締役社長)の講演を受け、福島第一原発の見学を実施いたしました。構内は写真撮影禁止のため、写真は東京電力さんよりいただきました。
広大な構内には、現在4000人が廃炉作業に従事されており、厳重な安全管理のもと、参加者全員に線量計が渡されました。福島の食材を使用した昼食は、構外の給食センターで調理されています。食堂の隣にはコンビニもありました。
見学当日は桜が咲いていましたが、発災当時は1000本あった桜が、汚水タンク建設、汚染拡大防止などを理由に 300本程度にまで伐採され、伐採された木も構内に保管されていました。雨水が汚染された場合を考慮し、地下水に染み出ないように 地面をモルタルで固めており、地下水も海に流れないようにくみ上げて、汚染水タンクで保管。
隣接地に中間貯蔵施設が建設中で、廃棄物運搬ダンプ専用道路も建設中とききました。
発災当時構内にあった車両は、構外に持ち出せず構内専用車両として使用。そのため構内にはガソリンスタンドや修理工場もありました。
廃炉作業は主に4つ。
・燃料取り出し (3号機、4号機終了)
・燃料デブリ取り出し (取り出し方法を調査中)
・汚染水対策
・原子炉施設の解体等
前週に、3号機の燃料プールから使用済み燃料 の取り出しを開始。今年度には燃料デブリのサンプル調査を計画する等、福島第 一の廃炉作業が安全かつ着実に進んでいる。大熊町の一部で避難指示が解除となり,復興も少しづつ確実に進んでいると実感。
復興スピードを早いとみるか遅いとみるか、人によって意見は分かれるが、遅いと思うならそれだけ困難な作業だと思いたい。新しい技術を開発しながらの作業であり、前進していることは間違いないことです。
震災から8年がたち、廃炉に関しては報道が減ってきている昨今、現地に足を運び現場を見て、説明を聞くことは大変貴重な機会でした。今後も続く廃炉作業には、メンタルの強さも必要です。働いている方のモチベーション維持やストレス対応など、心のレジリエンスも気になりました。 (レポート:深谷純子)